TIM & SAILOR

猫のティム 第2回 ~問題行動と対応編~

思い悩みながら行きついたのは、動物行動学を専門にしている獣医さんのカウンセリングを受けることでした。 問題行動を起こすペットの飼い主にカウンセリングをしてくださっていて、その時に教えてもらったことがとても参考になりました。 自分自身、体験を通じて学んだことと、カウンセリングを受けて勉強になったことを記しておきたいと思います。


凶暴化する原因

まず、原因ですが、はっきりと解明はされていませんが、一番大きく影響すると思われるのが、 乳離れの時期になる前に、幼くして母猫や兄弟猫と引き離されてしまった場合。
通常、社会性は母猫や兄弟猫との間で培われるものなのですが、それが十分ないまま、ペットショップなどに引き取られ、 個室の中で育ったリすると、噛む力の力加減や、人間との距離の取り方などがわからないまま育ってしまい、問題行動を起こしてしまう傾向があるとのことです。

ティムの場合もきっとそうだろうなと思いました。
実は、ティムには、ビニール袋を食べようとする異食行動があるのですが、このような異食行為も、幼くして母猫と引き離されてしまった子に多く見られる傾向とのことです。

今でもたまにペットショップで、生後数カ月の子猫がケース中で1匹で育てられているのをみかけたりしますが、老婆心ながら心配してしまいます。

次に、野性の血が残る純血種である可能性。
攻撃性の高い猫は、長毛種より短毛種のほうに多くみられるそうです。アビシニアン、シャム、ロシアンブルーなど。 特にアビシニアンの場合は、リビア山猫の子孫とも考えられていることもあり、他の猫よりもまだその山猫の血が濃く残っていて、野性的な面があるのかもしれないということです。 最初に先生に電話で相談したときに「ああ、アビシニアンね」と言われたのをよく覚えています。ちょうど、他にもアビシニアンの子の相談を受けているともおっしゃっていました。

その他には、いろいろ解明されていない原因はありますが、まれに脳に障害などを持っていたりすると問題行動を起こしてしまう場合もあるそうです。
病気が原因の場合は、行動学からではどうすることもできず、しっかりとした治療が必要になるとのことでした。


猫を理解し、寄り添う

犬の場合、問題行動を起こしていたとしても「しつけ」ることができるので、比較的早く解決することも多いそうですが、猫には「しつけ」は効かないので、場合によっては物凄く時間がかかるとのことでした。
猫を無理やりしつけようとしたり、力ずくで言うことを聞かせそうとしても、逆効果でしかなく、どんどん猫の気持ちは離れてしまい、猫の問題行動がよくなることはまずないと思ったほうがよいと思います。

猫の行動や気持ちをなるべく理解しようと心がけながら、猫の行動や心理に添うように、以下のようなことに気を付けていました。(同時に私は猫のことを全く理解していなかったと思い知らされました。)


<平常時>
視線があったら
ゆっくりまばたき
まばたきは、猫同士の親愛のサインなので、目があったら、まばたきするとこちらの「愛」を伝えることができます。 猫もゆっくりまばたきし返してくれたら、気持ちが伝わったと思ってよさそうです。
ひたすらほめてあげる
「大好きだよ」「愛してるよ」「いい子だね」など。
※ただし、「可愛いね」はあまり効果なし?
動物もほめて育つもの?!気持ちはたくさん伝えましょう。 ただし、猫は「自分が可愛い」のは分かってるらしいので、「可愛いね」と言っても、「当たり前です」くらいの気持ちらしいです(^^;。 特にアビシニアンなんて、自分のことを「私は美しいアビシニアン」くらいのプライドも持っているそうです。 そういわれると・・・そんな気もします・・・。 でも本当に可愛いから、今でもちょっちゅう「可愛いね、可愛いね」と言ってしまっていますが(^^;;
猫を刺激しないようにする できるだけ大きな音をたてたり、臭いのきついものを使ったりせず、猫の刺激になるようなことを避ける。
※しばらくダ〇ニーは控えました。(今では、使っても大丈夫です。)
1日10分以上は遊ばせる 猫は遊ぶのが大好き。特に、2歳のアビシニアンなんて、遊び盛りの年頃。1日10分は思い切り遊ばせて、ストレスを取ってあげるようにと言われました。


<攻撃的になってしまったら>
視線は合わさない
視線を逸らす
見つめあうのはいわゆる「タイマン」状態になってしまい戦闘モードになってしまいますから、視線をそらしてこちらには戦意はないことを伝えましょう。
猫に近づいていかない
その場を動かない
落ち着かせようとして、つい、猫に近づいて体を撫でようとしてしまいがちですが、興奮状態の猫にとっては、「襲ってくる」という恐怖心が増し、余計攻撃されます。
話かけない
静かにしている
例え「ごめん」と猫に謝っていたとしても、興奮状態の猫には「この野郎!」くらいに聞こえている可能性があります。ここも静かにして戦意がないことを伝えましょう。


攻撃モードになっている猫から視線をそらすと、猫の状態がわからず、いつ飛び掛かってくるかもわからなくなるので 怖いかもしれませんが、私の経験上、視線をそらし、その場にじっとして動かなければ、猫が必要以上に襲ってくることはないと思います。 猫が攻撃してくるのはあくまでも「自分を守るため」だけであって、自分に危害を加えることがない相手だと分かれば、襲わないはずです。 しばらくは興奮状態なので、ギャーギャー、ウーシャーと威嚇はしますが、こちらが動かなければ威嚇だけで攻撃まではしてこないと思います。 (とはいっても、トイレに行きたい時や、すぐに出かけなきゃいけない時だったりすると、じっと動かず待たなきゃいけないのはつらいのですけれどね。)



トラウマを取り除く

それから、もう一つ、先生に勧められたのがフラワーレメディでした。ホリスティック療法というのでしょうか。 それまでフラワーレメディのことは知らなかったのですが、癒し効果があると聞き、試してみました。

捨てられた経験のある子は、「自分が捨てられた」ということも理解しているそうです。 それがトラウマになって、攻撃性に表れることもあるそうです。

フラワーレメディは、自然の力で、そういったトラウマが少なくなるよう癒しを与えるらしいのですが、 動物の場合は、人間と違って、先入観や邪念がないので、驚くほど効果がでる子が、中にはいるそうです。 特に勧められたのがパッチフラワーレメディで、ティムに効きそうなものをいくつかブレンドしてもらいごはんと一緒に与えることにしました。 金額も2千円くらいでそんなに高いものではなかったし、これで良くなるならと、気軽な気持ちで試してみました。

以前、薬を入れたときは全く口にしなかったティムでしたが、フラワーレメディはほぼ無臭だったためか、警戒することなく、ごはんと一緒に食べてくれました。

精神安定剤のような薬で、落ち着かせる方法も確かにありますが、いわゆる西洋医学的な薬の場合、一時的には大人しくなったとしても、薬が切れた時の反動が物凄くなってしまうこともあるそうです。結果として、薬に依存するようになってしまうので、病気でない限りは薬物はお勧めしておらず、代わりというわけではないですが、ホリスティック療法をお勧めしているそうです。

2ヵ月くらいフラワーレメディを与えたでしょうか。劇的に変わった、とか、明らかに変化がみえた、とまでは分かりませんでしたが、でも攻撃的になる回数が減ったように感じました。私にはフラワーレメディの回し物でもなんでもないですが、ティムにもそれなりの効果はあったかなと思っています。 (ちなみにフラワーレメディは人間にも使えるので、私も試してみましたが、私自身には効果は感じませんでした。私は邪念の塊なのか^^;。)



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