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猫のティム 第3回 〜葛藤と抜爪手術編〜

もうひとつ伝えておかなければいけないことがあります。ティムには、いま、前爪がありません。葛藤の末、抜爪手術をしました。

今の穏やかなティムを見ていると、手術をしなくてもよかったのかなと思うときもありますが、抜爪手術に踏み切った経緯もお伝えします。

再び大パニック

取るべき行動に気を付け、フラワーレメディを与え、ティムが興奮する回数が減って行き、少し安心してきた矢先でした。またもやティムが大パニックを起こしました。

朝、フラワーレメディと一緒にごはんを与え、猫じゃらしで遊んであげていたところ、ティムが勢いあまって部屋の観葉植物にあたってしまい、鉢ごと倒してしまいました。私の気が少し緩んでいて、いつもより思い切り、猫じゃらしをブンブンふってしまったのがいけなかったですが。

ティムが怪我をすることはありませんでしたが、倒れた植木に驚いたティムが、そのはずみで大パニックになり、私めがけてハイジャンプパンチ&猫キック・・・。激痛がしましたが、視線をそらし、しばらくじっとして、ティムが落ち着くまで待ちました。 それでも、会社に行かないといけない時間が迫っていたので、5分が限度で、まだウーシャー警戒しているティムからなるべく音をたてないように、そーっと離れつつ、会社に出かけて行きました。

血が出ていたのはわかっていたのですが、落ち着いて自分の右手の甲を見ると、こんもりと腫れ上がり、内出血のようになっていました。会社から帰って、部屋をあらためてみると、かなりの血が飛び散っていました・・・。

募る不安

それほど大きな怪我ではなかったとはいえ、その流血部屋の光景を見たときに、いつまでこんなことが続くのだろうかと不安になりました。 そして、飼い主である私自身は、今後も耐えられるとして、他の人にティムが怪我をさせてしまった場合のことが気になりはじめました。

というのも、次の月に海外旅行に行く予定があり、そのときにはペットシッターさんにティムを頼もうと思っていました。
もう大丈夫かな・・と感じはじめていた矢先の、大パニックだったので、ペットシッターさんに怪我をさせてしまったらどうしようという不安が出てきました。

ペットシッターさんは動物の扱いには慣れているので、ある程度は大丈夫だとは思いますが、以前にも友人や両親など、私以外の人にも襲い掛かろうとした経緯があるので、やはり不安です。「凶暴」と聞いて想像する「凶暴」状態の上をいく、恐怖を感じるほどの状態は、動物の扱いになれているとしても、不安です。

旅行を取りやめることも考えましたが、結局いつかは誰かにティムの世話を一時的にでも頼むことが発生してしまうだろうとも思いました。さらには、完全室内飼いにしているとはいえ、はずみで外に出てしまったときに小さな子供に怪我をさせてしまったら・・・、と、悪い方向に考えれば考えるほど不安になりした。

他人に怪我をさせる、しかも、それが小さな子供だったとしたら・・・。
それはティムにとっても最悪な事態を招いてしまうかもしれない―。

「抜爪手術」というものを知る

前爪がなければ、たとえ人に襲い掛かったとしても、それほど大きなダメージは受けないし、与えないだろうとも思いました。 でも、相変わらず、私は、怖くてなかなか爪を切ることができませんでした。爪切りで切れたとしても1度に1本か2本が限度で、 すぐに不機嫌になって爪を切らせてくれないティム・・・。

そんなときに爪ごと取ってしまうという抜爪手術というものがあることを知りました。
でも、ものすごい反対意見もあり、すぐには踏み切れませんでした。イギリスやアメリカでは、抜爪手術を虐待として扱うところもあると聞き、また猫にとってはものすごく激痛を伴い、そのあとも苦痛が続くという意見もありました。

一方で、抜爪手術を行っている動物病院などでは、簡単ですぐに終わる、痛みもないとうたっていることもありました。

一体、どっちか本当なのだろうと思いながらも、ティムにずっと苦痛をあたえてしまうようなことは絶対に避けなければとは思っていました。

相談

カウンセリングを受けていた先生に抜爪手術についてどう思うかを聞いてみたところ、以下のようなお答えでした。

「基本的には反対。できることなら、しないほうがいい。抜爪手術自体は、猫にとって痛いものではないが、爪が使えなくなると、今後はよく噛む子になってしまう可能性が高い。でも、これから共生していくために、やむを得ないのもわかる。もし本当に抜爪手術をするなら、必ず設備が整っていて実績と信頼のある病院を選んで」と。

どうしようかとその後も決断しきれずに悩んでいたところ、なんと!当時の会社の上司が、飼い猫に抜爪手術をしたというではありませんか。
その方は、犬と猫を飼っていたのですが、猫(この猫は、もともと野良猫さんだったのを拾ったとのこと)が、犬の顔をひっかいてしまったことがあったそう。病院に犬を連れていったところ、犬の傷をみた獣医さんが、「猫も室内飼いで外に出すことがないのなら、爪をとってしまったほうがいい」と言われて抜爪したそうです。
「痛がる様子は全くなかったし、普通に走り回っている。ジャンプもするし、爪も研ぐしぐさもするし、以前と変わらなくしてるよ」ということを聞き、一気に背中を押された気分でした。


病院探し

病院(獣医さん)は重要でした。失礼ながら、下手な手術だったら、ずっとティムに苦痛を与えてしまうかもしれません。 でも、その上司の方が住んでいる場所は、私の家からは遠すぎたので、その病院を紹介してもらうことはしませんでした。

当時、私は埼玉に住んでいて、ワクチン接種などでお世話になっている病院が近くにありました。
ティムが凶暴化したときに、電話で相談したときも、とても親身に話してくれた先生でした。ワクチン接種に、実際にティムを病院に連れて行って、ティムが大暴れしたときも(ティムは病院が大嫌い)、冷静に対応してくれました。とても信頼している病院だったのですが、そこは残念ながら、規模も小さく、抜爪手術はしていないとのことでした。

次に24時間対応の大病院に問い合わせてみました。すると「病院のポリシーとして抜爪手術は子猫に限定しています」とのお答え。自分がよくないことをしようとしているようで少し落ち込む返答でした。

最後に、隣の駅にある設備も整っていて少し大きめそうな動物病院をネットで見つけ、そちらに問い合わせてみました。1泊2日の手術でだいたい3.5〜4万円ほどで対応しているとのこと。そのまま申し込むのは怖かったので、一度、お話を聞かせてくださいと、見学をかねて、病院に行き、先生に直接、抜爪手術についてのお話を聞きました。

「若干、出血はあるけれども、手術中は麻酔をするので、手術自体に痛みはない。麻酔がきれたあと、少し痛みがあることはあるかもしれないけれど、心配はないと思う」というようなお話。抜爪手術自体は、結構行っていて、「頭のいい子だと、爪がなくなったら、もう無駄だと感じて大人くなってくれる子もいるけど、全く手に負えないほど凶暴な子だと、前足の爪だけでなくて、後足の爪も、さらには牙も抜くこともある」とのことです・・・。それから、ティムがアビシニアンで、飼育放棄された保護猫だったことを伝えると、「純血種の犬猫が捨てられてしまうのは、たいていは凶暴な性格か、病気をもっているかのどちらかなんだよね・・・」ともおっしゃっていました。

経験ある先生で、病院自体も綺麗で、設備もきちんとしているようだったので、そこにお願いすることにし、手術の予約して帰ってきました。

手術へ

後日、予約した日時にティムを連れて病院へ。「頑張ってね。明日、迎えに来るからね。」と病院で興奮しているティムに伝えて、先生にティムを預けてきました。ものすごく不安もありましたが、もう先生を信じ、神様に、無事手術が終わることを祈ることしかできません・・・。

久しぶりのティムのいない一夜。襲われれる心配はなくても、寂しさ募る一夜でした。



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